

大阪市聖天山風致地区
風致地区は、都市の風致を維持するために、都市計画法によって定められた地区です。
近年、各種開発によって著しく都市の自然が失われつつありますが、「風致地区制度」は、樹林地、丘陵地、水辺地等の良好な自然的景観に富んでいる区域や、良好な住環境を維持している区域、古墳等の歴史的意義のある区域等を「風致地区」として指定し、これにより生活にうるおいを与え、緑に富んだ快適な都市環境を維持しようとするものです。
大阪府においては、10ヘクタール以上の2以上の市町村にわたる風致地区について「大阪府風致地区内における建築等の規制に関する条例」を定めています。風致地区内において風致に影響を及ぼすような行為を行う場合は、各市の市長の許可を受ける必要があります。(大阪府) 風致地区について)
私たちの地区には「大阪市聖天山風致地区」があります。写真の黄色の部分は何故か昭和45年に風致地区が解除になっています。(参考文献)
当時の記録はありませんが、風致地区の選定に携わったかた方のご家族にお聞きしましたところ、この地域の風致地区解除に反対する意見も多かったが、何故か強攻に解除を求める意見があり、結局は解除になったとのことで、何か政治的な圧力があったのではないかと、残念がっておられたとのことです。

<参考文献>
大阪市聖天山地区を事例とした風致地区制度と緑景観保全に関する研究
緑地保全・創生学講座 緑地環境計画工学研究グループ 河野 礼
http://www.envi.osakafu-u.ac.jp/Ulpd/H18Report/Kohno.pdf
北畠駅前高層マンション建築予定地の特殊性
この の部分が北畠駅前高層マンション予定地です。この予定地を含む北畠1丁目8番というわずかな地域は、昭和45年に風致地区が解除になった地域の中で、もっとも風致地区に近い地区です。北側、西側が風致地区に隣接しているだけでなく、南側が北畠中央公園、東側が阪南中学校と風致地区と文教地区に囲まれた島状の地域で、風致地区の真ん中に位置しているといえます。ここに風致地区外でも基準ギリギリの10階建てマンションを建てようというのです。
風致地区外でもこの地域には6階を超す建物はありません。この10階建のマンションが如何に環境にそぐわないものであるかおわかりでしょう。


