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住民説明会を求めて

(11)住民説明会を求めて

 

 近隣住民有志が説明会開催を求めて、11月初旬に施主 辻裕子氏宅を訪問しました。応答はありませんでしたが、偶然、そこへ辻裕子氏が帰宅されたのですが、何故か私たちを見て逃げてしまいました。止む無く、要望書をポストに投函しましたが、その後、全く連絡もありません。そこで11月中旬に「北畠を愛する会」会長名で、施主:辻裕子氏と積水ハウスに対して説明会開催を求める内容証明の書簡を送りましたが、その後、積水ハウスからは、既に十分な説明済みであり、説明会開催の必要性はないとの配達証明書簡が届きました。

 

(12ポスター掲示と代理人依頼

 

 私たちの説明会要求が拒否されたため、「北畠を愛する会」として、施主 辻裕子氏に対して10階建て高層マンション建設を思いとどまるようにお願いする内容のポスターを、「北畠を愛する会」会員宅を中心に掲示するとともに、岩城弁護士に代理人を依頼しました。岩城弁護士を通じて、再度配達証明書簡で辻裕子氏に説明会開催を要求しました。12月中旬の要求であったため、相手に配慮して1ヵ月の余裕をもって、1月12日(土)に説明会開催を要求し、12月27日までの回答を求めました。私たちは1月12日の説明会開催に向けて会場確保や地域の方々へのお知らせの準備に入りました。

 

(13)施主の説明会不参加

 

 その後、辻裕子氏も代理人を立て、1月の開催の前に代理人同士の話し合いがしたいとのことで1月7日に話し合いがもたれました。結局1月12日は都合が悪いとの理由で出席できないとの連絡とともに、辻裕子氏へのポスターを外す要求がなされました。私たちは既に会場も確保し、地域の方々にも案内をしていることから、当日を意見交換会とすることとしました。1ヵ月もの余裕があるにもかかわらず、1月12日の参加を拒否した上に、辻氏側から、「施主が参加しにことがわかった上で会を開催することは施主を貶める行為である」との申し入れまでがありました。

 

(14)第一回意見交換会

 

 1月12日(土)の意見交換会は阿倍王子神社で行われました。当日は70人を超す方々がご参加されまして、会場がいっぱいになりました。参加者の皆様には、施主が参加をしないため説明会にはならず、意見交換会になってしまったことに対してお詫びし、ご了解を得ました。意見交換会では参加されました方々から、この高層マンション建設についての多くのご意見とご質問を頂戴しました。説明会にはなりませんでしたが、貴重なご意見を数多く聞くことができ、非常に有意義であったと思いました。

(15)第1回意見交換会での意見のまとめ


この高層マンション建設についてのご意見とご質問をまとめますと以下のような内容でした。


① 階数、高さに対する反対やご意見(これが最も多かった)

 ・なぜ10階建てにすることが必要なのか。

 ・周囲の環境破壊になっていると思わないのか。

 ・土地を購入するならともかく、周辺は5、6階建てでも採算が取れているのではないか。まして自分の土地であれば十分採算   が取れるのではないか。

 ・風致地区、文教地区に隣接しており、なんとか周囲と同じように5~6階建てにならないのか。

 ・この地区に長く住んできた施主であるから、地域の住民の理解の得られるような建物にしてほしい。もめないで解決してほし   い。

 

② 高さ以外の建物による被害
 ・日照の被害についての説明がほしい。
 ・道路からもう少し奥に引いてほしい。通学路でもあり、落下による危険がある。
 ・32mの高さがあり、周囲は常に見下ろされ、まるで監視塔である。また、阪南中学校のプールは4階屋上にあることから、盗   撮の危険にさらされる。
 ・車の出入り、駐車、駐輪、排気ガス、騒音問題についての質問。
 ・電波障害、ビル風の危険性についてどのように認識しているか、発生した場合の対応。


③ 入居者および日常的なマンション管理について
 ・賃貸マンションと聞いているが、グレードや入居者層、平均的な間取り、賃料について聞きたい。
 ・管理人は常駐するのか。
 ・違法駐輪、違法駐車が多くなるのではないか。
 ・風紀悪化の危険性はないのか。


④ 工事協定
 ・なぜ工事協定書を提供しないまま工事を開始したのか。
 ・今からでも工事協定を締結する意思はないか。
 ・既に近隣を破損しており、これに対する対応は『ご挨拶』と書いた自らの事故対応にも違反しているのではないか。
  具体的な要望を聞いてもらえるのか。

(16)説明会開催日決定

 

 予備日として翌週の1月19日も会場を抑えていたため、この日の開催を求めましたが、これも施主代理人の大野弁護士の都合で応じてもらえず、結局、1月26日(土)に説明会を開くとの回答が、大野弁護士からありました。また、それまでに質問内容をあらかじめ提出するようにとの施主代理人からの要望がありました。 そこで前回の意見交換会でいただいた住民の皆さんからの要望、質問内容をまとめて施主代理人に送付しました。

​(17)会場探しに奔走

 

 1月19日(土)の会場はキャンセルしたものの、150人以上の聴衆を収容できる会場を1週間以内に探さなければならず、会場探しに奔走しました。地理的条件、規模、費用の上に日程が迫っていることなどから、全く見つからず、頭を抱えていました。会員が粘り強く探したところ、特別の計らいによりまして、住吉高校同窓会館『北畠会館』をお借りすることができました。住吉高校校長先生ならびに同窓会関係者の方々には重ねて感謝申し上げます。
 他の建設例では施主、施行業者が説明会を自主的に何度も開催し、会場その他も施主、施行業者が用意すると聞いております。施主 辻裕子氏および積水ハウスは、私たちからの再三の説明会開催の要望に対して3ヵ月近くも無視し、会場その他もこちらが何度も用意をし直さなければなりませんでした。述べ3か所の会場費、キャンセル料も私たちが支払うことにもなり、各会場にもご迷惑をおかけし、実に腹立たしい限りです。しかし多くの住民の方々が説明を聞くことができるチャンスを早く用意することが、この建築現場近くに住む私たちの義務と考え、また工事が着々と進行していることから、猶予がないため、この度も私たちで説明会を設定致しました。

​(18)ドタキャン

 

 ところが、1月26日(土)の説明会の前々日の夕刻に、突然、施主代理人から私たちの代理人に対して、26日の説明会には参加をしないとの通告があり、前日の25日には正式に参加をしない旨のFAXが届きました。マンションの高さを争点にしても受け入れるつもりはないため、説明会への参加は混乱するだけであり、参加をしないとのことでした。また、横断幕、張り紙等の撤去も要求してきておりましたが、これは説明会出席の条件ではないとのことでした。質問まで求めておきながら、直前の出席拒否に対して抗議をしましたが、結局、当日は施主辻裕子氏、代理人、積水ハウスともに出席しませんでした。直前のドタキャンに対して、ご案内しました地域の住民の方々に対して説明会中止を知らせる手段もなく、当日はまたもや意見交換会となりました。
 第2回意見交換会に先立って、

岩城弁護士から弁護士の増員の提案がありました。三浦弁護士、林弁護士、向山弁護士、木津田建築士の4人の方に加わっていただき、合計5人の弁護団となりました。心強いです。

(19)第2回意見交換会

 

 1月26日(土)の説明会当日は約180人の方にご出席いただき、『北畠会館』はほぼ満員になりました。近隣の建築家の方々もご参加いただき、また市議会議員、府議会議員の方々、衆議院議員秘書の方もご参加をいただきました。意見交換会では様々な意見が出ました。施主 辻裕子氏、積水ハウスの説明会出席拒否に対する非難とともに、高層マンションが北畠の環境を破壊することについてはほとんどの皆さんの意見は一致しており、同じ町内に住まわれている辻裕子氏が何故このようなことをするのか、何とか辻裕子氏に考え直してもらうことはできないかなどの意見が出ました。ご参加いただきました中馬元衆議院議員からは、「高層マンション建設には反対であるけれども、同じ町内での諍いを避けて、何とか話し合いで解決する道を探っていきましょう」とのご意見をいただきました。また今後の北畠の環境を守るためにどのようにしていくかについての意見も交わされました。ほとんどの方が、途中退出することもなく、約2時間にわたる議論に熱心に参加をしていただきました。参加された新聞社の方や遠方から来られた方から、議論は熱心に行われているにもかかわらず、口汚く罵るなどの行為もなく、整然と意見交換がなされており、さすがに北畠地区の住民は違うものだと感心されておられたのが印象的で、自分が褒められたかのようにうれしかったです。
 参加者の皆さんからは説明会にならなかったことに対してのお叱りもなく、逆に多くの励ましのお言葉をいただいた上に、ご寄付までいただき、会員一同感激致しました。

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